第十回:妻は引き続き風邪で寝込み中です(バカヤロウ、コータロー)
体調不良で寝込んでいる妻の為に、吉田秋生の名作「BANANA FISH」の文庫本(全10巻)を借りてきた。
布団から動かない彼女も、「BANANA FISH」を与えた時だけは、ゴソゴソと動き出し、熱心に読んでいるので、よほど面白いようだ。
妻が寝込んで3日目、丁度7巻を読み終えた時に、私に彼女は不満を漏らした、「あとがきで物語の終幕をばらされた、“アッシュ(主人公)が死ぬ”って…」。
何とデリカシーのない話であろうか、あとがきを書いた人は誰なんだと調べると“山本コータロー”とある。
山本コータロー
走れコータロー
先走れ山本コータロー
いや、先走るなコータロー
先走ってオチをばらすのはやめてくれコータロー
版元小学館も同罪だコノヤロー
「BANANA FISH」は名作なので自宅で蔵書としても良いかと思っており、妻が気に入ればコータローかと思ったが、ヤメトイタロー。
第九回:妻は風邪で寝込み中です(本年度の宝塚観劇(ヅカ初め))に、早くたとえを言いたい~♪)
あけましておめでとうございます、今年も宜しくお願い致します。
今年の「ズカ初め」は、昨日1月3日東京日比谷の劇場にて雪組公演の「ひかりふる路/SUPER VOYAGER」、舞台とショーの二本立ての内容でした。
さて、舞台「ひかりふる路」は、フランス革命の立役者ロペスピエールを主人公とした話なのですが、一足先に観劇した友人曰く「ロペスピエールが主人公のミュージカルなんぞ、誰が見たいのか(ズカファン以外に)」との(端的な)批評を聞いていたのですが、観劇が進むうちに、私も全く同意の感想を持ってしまいました。
結果、最後の半刻は気もそぞろで、「この舞台、何かに例えたい」欲求に悶えていました、RG「あるある言いたい」状態の心持ち。
フランス近代史に疎い私でもロペスピエールは、恐怖政治の立役者、有史上初のテロリストである事は知っていました。宝塚歌劇のフランス近代史を時代背景とした他舞台では、“絶対悪”“悪辣な敵”としてしか扱われていません。フランス人でもない我々観客に
そんな人物を“なぜ”主役に?
この“伝わらなさ”を、何に例えようかと懊悩していた訳です。
で、出た結論
“迎春話題のミュージカル「田沼意次~清廉さを求めた男~」”
というミュージカルを誰が観たいのか…という事でした。
第八回:妻は「水曜日のダウンタウン」を鑑賞中です。
今年観た映画で一番良かったのは「KUBO/クボ二本の弦の秘密」かもしれない、“かもしれない”と、あいまいな表現にしたのは、他にも面白い映画は一杯あったからです。(http//gaga.ne.jp/kubo/)
「KUBO」が、なぜ一番印象深いと思ったかというと、日本人が得意な“創造性”のモデルをアメリカ人の監督が採用し生み出した作品という点です。未到の創造性ではなく、サンプリングやオマージュに彩られた“換骨奪胎の創造性”と言いましょうか。KUBOは、とても日本的なのに日本人は作れない創造性にあふれた作品でした。
全編に流れる“日本のようで日本でない”、“知ってるようで全然知らない”世界観にワクワクしましたね。 “ゲイシャ、ハラキリ”に彩られた、日本人としては苦笑いしか出来ない作品とは一線を画している点が素晴らしかったですね。
第七回:妻は一人旅の最中です
まる三年近く付き合い、煩わしい悩みのタネでしかなかった、歯列矯正のワイヤーが外れました。
始めた時に生まれた友人の子供は、もうノシノシ歩いて、言葉での意思疎通もこなしています、嗚呼、なんと長い月日よ!
しかし、ワイヤーが外れただけで、今は取り外しの可能なリテイナーを装着しており、想定装着期間は二年と通達されたので、トム・クルーズのような“綺麗な歯”を、我が掌中に収める日には、未だ道半ばです。
ワイヤーが外れたのを機に、「前歯の治療(セラミックに置換)」と「ホワイトニング」を、今週済ませました。今夏には左奥の親知らずを抜歯するのも控えており(多分大掛かりな手術になるだろうね)、わが口内の一大プロジェクトも、いよいよ佳境となりそうです。
歯列矯正を検討した時に、担当医より「完了までは4~5年」と言われ、まるで駅前再開発プロジェクトみたいと思ったものですが、思うどころか、事実として「クシロイダーの口内再開発」でした。我が口内の再開発完了予定時期は、2019年ラグビーワールドカップの時期と同じです、渋谷駅と一緒。
バカボンのパパより年寄りの私が、“なんで今更、歯を気にするの?”と、妻をはじめ友人にも問われますが、コンプレックス解消目的だけですね、歯並びが悪さが長年のコンプレックの一つでした。大人になって、小金を持って、金の力でコンプレックスを解消し続ける男、それが私。歯列矯正も累計100万円位掛かっています。
今では他人様の“歯(及び歯並び)”が、とても気になってしまう今日この頃なのです。
第六回:妻はビーフンをもしゃもしゃ食べている最中です
「怖い絵展」に行きました、正確には行っただけ。
平日、午前10時の開業時間に伺ったところ、既に二時間待ち。
入場は諦めて帰りました。
展覧会場の「怖い絵」は一枚も観れませんでしたが、会場外の約200m近く続く
長蛇の列を見て、これ以上の「怖い絵」はありませんでした。
”開場時間で、既に二時間待ち”、一番怖かったです、私も結構、早起きしたのですが。
寒風吹きずさむ上野公園を、打ちひしがれて歩く中、丁度、上野都立美術館前に差し掛かった時に
”そういえば、今年、都立美術館に来たな”と、ふと思い出したのですが、”何を”観たかは
全く思い出せず、”来館した事実”しか覚えていません。
42歳の私の記憶力ですら、この体たらくですから、二時間待ってまで観賞した、高齢の方々なんぞ、二時間待って入場できた時点で安心して、殆ど絵の事なんぞ、覚えていないはずです。
どうせ直ぐに忘れるモノを、なぜにわざわざ二時間も待って観るのか、高齢者よ。
第五回:妻はTVに夢中です
アウシュビッツに行きたいのですが、妻は全然行きたくないようです。
私は、もはや”人”としての矜持かけ、”行きたい”を超えて”行かなければ”との
思いに駆られてるのですが、妻は全然行きたくないようです。
アウシュビッツには、施設公認の唯一の日本人のガイドさんがいるようですが、それでも、妻は全然行きたくないようです。
どうして行きたくないのか尋ねると「暗い気持ちなる所には行きたくない」と、真っ当な答え。
それを超えての”負の遺産だろうが!!”との、叫びは心だけで、平身低頭”行こうよ~”と誘っています。
”行こうよ~”と、サンリオピューロランドに誘うみたいに、誘ってますが、妻は全然行きたくないようです。
アウシュビッツのプレゼンをちょくちょくしますが、話が陰惨過ぎて、すればするほど逆効果です。
多分もし、夫婦で東欧旅行をしても、アウシュビッツは一人旅になりそうです。
一人は、怖いから、やだな。
ところで、最近知ったのですが
アウシュビッツの正式名称は「アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所」と思っていたのですが、本当は「アウシュビッツ=ビルケナウ強制絶滅収容所」というんですね。
ますます、妻が行きたがりません。
第四回:妻は観劇の最中です
二ヶ月以上空きました。
なぜ空いたのかと言いますと、妻が話を聞いてくれたからです。
夫婦和合、いいじゃないですか。
この二カ月は、夫婦のコミュニケーションが良かったと言う事で。
ほぼ唯一の読者、友人Aより「お前のブログ、いつ更新すんねん!」と、発破かけられましたが、いいじゃないの幸せならば(佐良直美)。
話は大きく変わりますが、3年弱苦しめられた歯列矯正のワイヤーが、今月外れる予定です。
えのきだけ、ニラ、ねぎ、ラーメン、パスタ、鶏肉・・・数多の食材が、ワイヤーに、歯間に、挟まりました。
幾つの食材が歯に詰まると、人は人らしく生きられるのだろうか、友よ、その答えは風に吹かれている。
ただ、どう考えても、左の4番と5番の間の隙間が1mm以上あるので、おそらく外すのは一か月伸びると思うのです。そうなればもう、サイアク、不自由な食生活に飽き飽き。
闇夜の光明として、ワイヤーが外れたあかつきには、妻のおごりでステーキを食べに行く事だけ決まっています、高級なヤツ。
「ウオルフギャング」、「ローリーズ」、「トニーローマ」等、ワシワシ赤肉食べたいね。
続けて話は変わり、最近に気なるのは「ヶ丘」です、私は(ケオカ)と呼んでいます。
日本人は「ケオカ」が好きですね、西も東も「ケオカ」ばかり。
どこもかしこも「ケオカ」ばかりだと思います。
この着眼点は、己の中の、みうらじゅんからの影響力を感じずにはいられませんが、いずれにしても「ケオカ in Japan」です。
ちかくにある「ジユウケオカ」、狭くて、人が多くて、オシャレ以外に役立ちそうなものがない、あのケオカに自由はあるのか(いや、ない)。
振り替えると、小学校は「サクラケオカ」でした。東京では「ヒバリケオカ」に住みました。千葉に「ユーカリケオカ」という地名があると知った時は、失笑しました。